27.7.09

Natasha




デイヴィッド・ベズモ―ズギスの「ナターシャ」を読みました。
私の好きな作家Jhumpa Lahiriの本をAmazonでタイプすると、「この本が好きな人は、こんな本も買っています」というリストがだだっと出てくるのですが、ナターシャはその中のひとつでした。

なんだか設定がJhumpa Lahiriと似てるな~と思ったら、この二人(他にも何人かの作家をまとめて)移民系作家、と呼ばれているらしいです。名前の通り、著者が移民(Jhumpa Lahiriはインドからアメリカへ、デイヴィッド・ベズモ―ズギスはRigaからカナダへ)というグループわけらしいです。

「ナターシャ」は短編ですが、幼少期から成長して青年になるまでの、ところどころを切り取って、時系列に並べてあるので、ある意味長編でもありました。Jhumpa Lahiriと同じだな~と思ったのは、幼少期は移民であることをさほど意識しないんだけど(もちろん変なことはたくさん起こるんだけど)、成長してどんどん社会が広がると共に、移民であることで人との違いに気づき、不便だと思うことも増えてくるようです。そして思春期が終わると移民であることと上手く折り合いをつける術を身につけていく、、、というような感じ。

私も移民だから、よくわかる。確かにふたつの文化の中で大人になるのは意外と面倒なことも多くあります。例えば、学校では常識とされていることが、両親の文化では非常識だったりします。逆パターンもあります。学校に通って現地の子供と混ざって生きていかなければいけない子供にとっては混乱だらけだし、親を傷つけないように隠し事をしたり、色々と気苦労が多いのです。


そういうちょっと普通と違う成長期っていうのは、違うものの見方をするわけだから、文学になりやすいのかもしれません。ネタの宝庫というか。

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