7.4.10

本格小説


「私小説」に続いて、水村美苗さんの「本格小説」をどーっぷりはまって読みました。
部屋の掃除とか日々の用事を全部済ませて、飲み物とおやつを用意して、ソファのいちばん居心地のいいポジションにまるまって読み始めます。極楽の境地です。

初めの「本格小説が始まる前の長い長い序章」みたいなのは、前の作品「私小説」の続きみたいなので、あっという間にその世界に入り込んでしまいました。

まさに日本版「嵐が丘」でした。
軽井沢の三姉妹の親戚とのつながり方とかが、イギリス小説に出てくるウワサ好きなおばさんみたいだし。なにより時代を超える大河小説っておもしろい!主人公の東太郎像をいろんな人が違う角度から観察しているところに、リアリティがあってどんどん吸い込まれていきます。そのうちのひとりが作者の水村美苗さん。自分の小説の中に自分が脇役で出てくるんです。それがとても自然で、全ての始まりです。今から、また3年後くらいに読み返そう~と楽しみにしてる小説です。